直葬の費用を賢く抑えるための具体的な方法
シンプルな葬儀形式である直葬は、費用を抑えたいと考える方にとって有力な選択肢です。しかし、何も考えずに依頼してしまうと、思った以上に出費がかさんでしまう可能性もあります。少しの知識と工夫で、費用をさらに賢く抑えることが可能です。まず最も重要かつ効果的な方法は、「複数の葬儀社から見積もりを取る」ことです。同じ直葬プランでも、葬儀社によって含まれるサービスや価格設定は異なります。最低でも二社から三社程度の見積もりを比較検討することで、内容と価格のバランスが取れた、最も納得できるプランを見つけることができます。次に、プラン内容を詳細に確認し、「不要なオプションを断る」勇気も必要です。例えば、立派すぎる棺や、華美な骨壺など、基本プランに含まれているものをより安価なものに変更できないか交渉するのも一つの手です。ご遺体の安置に関しても、葬儀社の安置施設を利用するのではなく、もし可能であれば自宅に安置することで費用を削減できる場合があります。そして、費用全体に大きく影響するのが「火葬場の選定」です。公営の火葬場は、その自治体の住民であれば非常に安価な料金で利用できます。民営の火葬場に比べて数万円単位で費用が変わってくることも珍しくないため、故人または喪主の住民票がある自治体の公営火葬場を利用できないか、必ず確認しましょう。また、自治体によっては、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合に「葬祭費」として数万円の補助金が支給される制度があります。申請しなければ受け取れないお金ですので、忘れずに市区町村役場に問い合わせてみましょう。これらのポイントを一つひとつ押さえていくだけで、故人の尊厳を損なうことなく、遺族の経済的負担を大きく軽減させることができるはずです。