葬儀について勉強した知識を具体的な形として残すために最適なツールがエンディングノートです。これは法的効力を持つ遺言書とは異なり、自分の希望や想いを家族に伝えるための自由なノートですが、葬儀の準備において絶大な効力を発揮します。しかし、多くの人が「何を書けばいいかわからない」と挫折してしまいます。そこで、エンディングノートを活用した葬儀の希望整理術を学ぶことが役立ちます。まずは、形式的な希望を書き出すことから始めましょう。宗教や宗派、希望する葬儀の規模(一般葬、家族葬、直葬など)、遺影に使ってほしい写真の保管場所、誰に訃報を知らせてほしいかという連絡先リストなどがこれに当たります。特に連絡先リストは、遺族にとって最も助かる情報の一つです。次に、演出や雰囲気に関する希望を記します。棺に入れてほしい思い出の品、流してほしい音楽、祭壇の花の色や種類など、自分らしいお別れの空間を作るためのリクエストです。そして最も大切なのが、その希望に至った「理由」や「想い」を書き添えることです。「なぜ家族葬がいいのか」「なぜこの音楽なのか」、その背景にある気持ちを家族が知ることで、彼らは迷いなく、自信を持ってあなたの希望を実現してくれます。また、費用の出処についても触れておくと安心です。互助会の会員証の場所や、葬儀費用に充ててほしい預金口座の情報などを明記しておくことで、金銭的なトラブルを防げます。エンディングノートは一度書いたら終わりではなく、考えが変わるたびに書き直していいものです。誕生日のたびに見直すなど、定期的な更新を習慣にすることで、自分の人生観の変化を確認する作業にもなります。書くことで頭の中が整理され、漠然とした不安が消えていく効果も期待できるでしょう。